グルメ
概要
ヘブライgūr「獣の子、子犬」に由来する古いロシア人男名グーリィ(Gúrij)に由来。
詳細
Iakim Gureev (Иаким Гуреев) (1434年ノヴゴロド)1
Fedor Gur'ev syn (Федор Гурьев сын) (1571年)1
Pavlom Gur'evym (Павлом Гурьевым) (1592年リャザ二州)1
Ivan Gur'ev syn Polivanov (Иван Гурьев сын Поливанов) (1605年リャザ二州)1
父称姓。正教会から正式に認められていた古いロシア人男名グーリィ(Gúrij((露)Гу́рий))4 に由来する。この名前はヘブライ
gūr(גּוּר)「獣の子、子犬」5 に由来し、19世紀まではロシアで多用されていた。この名前を持つ聖人が幾人か正教会におり、教会暦に登録
されている。先ずロシアで最も有名な人物としては、16世紀に苦行や宣教活動で有名になった初代カザン大司教のグリユ(Guriju(露
Гурию(アクセント確認できず))がいる。彼の祝日はどういう訳か三日あり、7月3日(古くは7月20日)、10月17日(ロシア正教会が採用
しているユリウス暦(旧暦)では同月4日)、12月18日(同5日)である。他に、結婚生活や幸福な家庭の守護聖人としてギリシア正教徒の間で
敬われたエデッサ出身の聖グーリィ(Gúrij)がいる(祝日は11月28日)。モスクワのイキマンカ(Якима́нка)地区6 のバビェガロード横町(露
Бабьегоро́дский переу́лок )にあるイオアン・ヴォイン教会(露Це́рковь Свято́го Иоа́нна
Во́ина)の聖堂に彼の聖宝座(pridél(露приде́л))が存在する。聖書を出典としている名前のようだが、詳しいことは不明。
ソ連の航空技師ミハイール・ヨーシファヴィチ・グレーヴィッチ(Михаи́л Ио́сифович Гуре́вич)は1893年1月12日
、現在のロシア西部クールスク州の町スージャ(Súdža((露)Су́джа))の西近郊にある小村ルバンシチナ(Рубанщина(
アクセント位置未確認))で生まれた。ユダヤ人である7 。父親は機械工、ブランデー製造業者であった
8 。
所で、うろ覚えなのだが、NHKスペシャル『映像の二十世紀』だったか、何かの歴史番組でイスラエルの政治家ベン・グリオン(David Ben-Gurion)のグリオンの意味を
「ライオン」と言っていた記憶がある。もしこれが正しいならば、グレーヴィチッ姓とベン・グリオン姓は語源上関係が有る事になる。
[Ganzhina(2001)p.146-147,Vedina(2008)p.127,vimeni.ru]
◆ヘブライgūr「獣の子、子犬」←セム*gVr-「獣の子、子犬」(Vは母音)(フェニキアgr「ライオンの子」,アラムgr「獣の子」(>シリアgurya「子犬、
小型犬」),アラビアǯarw-,ǯirw-,ǯurw-「子犬、肉食性の獣の子」,ハルスシ(オマーンの一地方で話されるアラビア語の方言)yéru「子犬」,
アッカドgirru「ライオン」)9 。
1 http://heraldry.sca.org/paul/g.html
2 Cerkov vol.4(2005)p.308
3 Cerkov vol.2(2005)p.120
4 研究社露和辞典p.2729、http://ru.wikipedia.org/wiki/Гурий
5 http://www.milon.co.il/general/general.php?term=%D7%92%D6%BC%D7%95%D6%BC%D7%A8+
6 この地名は、日本語で「ヤキマンコ」という誤った音転写で、珍地名として人口に膾炙している。
7 Morgenstern(2009)p.312
8 http://de.wikipedia.org/wiki/Michail_Iossifowitsch_Gurewitsch
9 http://starling.rinet.ru/cgi-bin/query.cgi?root=config&morpho=0&basename=\data\semham\semet
執筆記録:
2011年7月20日 初稿アップ
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