凡例
1.収録人名1.1.苗字苑
海外の有名人の姓を扱います。対象は歴史上の有名人から今話題のホットな人物まで何でもです。学者、作家、政治家、軍人、 スポーツ選手、俳優、音楽家、画家、実業家、宗教家から果てはDJや超能力者やUFO研究家、犯罪者まで無茶苦茶です。 また、映画や文学作品、漫画等のフィクションに登場する人物の姓で、実在するものも対象とします。尚、テイラーとか バッハとかファーブルとか簡単に語源の判る名前は扱いません(記事を作るモチベーションが保てない・・・)。
管理人は印欧語に関心があるので、その言語の苗字が中心になります。但し、他の言語の苗字にも関心が無い訳ではないので、 ちょくちょく題材にします(ハンガリーやトルコ、フィンランド、エストニア、グルジア、バスク・・・そして中東や中国、 フィリピン等をはじめとするアジア)。尚、我国の苗字は扱いません。すでに優れたサイトが沢山あり、自分は詳しくない為です。
尚、歴史的有名人の姓で現在は廃用のものも取り上げます(例:ピゼンデル(Pisendel))。

1.2.ハリー・ポッター固有名詞語源辞典
ローリング著の大河児童(?)文学『ハリー・ポッター』の登場人物の姓を扱います。英国の姓が大半ですが、地元人の ローリングが選んだだけあって、かなりマニアックだったり面白い由来を持つ英国姓が沢山登場します。キャラクター名の 引用ソースは英WikipediaのHarry Potter Characters項の登場人物一覧です。このWikipediaの項目に採録されている登場人物の ソースの内訳は以下の通り。
ローリング著『ハリー・ポッター』 正伝(全7巻)、外伝・派生作品(未邦訳含む)
会報 管理人は詳しくないので良く解りませんが、ファン向けの会報がある(あった)らしいです(どうも邦訳されていないらしい)。 この中にも、オリジナルの人物が登場するらしい。
ゲーム 詳しくは不明。上記のWikipediaの項目を参照。
イングランドや英語起源の姓以外は、各姓のページの見出しの横に()で該当国を表示します(例:マルフォイ(仏))。なお、 グリンデルヴァルトの様に地名や、ダンブルドアやグレイバックの様に方言における普通名詞を姓に流用しているケースが、 数は少ないものの若干見られます。これらは、ひとまず無視していくつもりですが、例えばランコーン(地名。現実における 姓としての用例は未確認)の様に面白いと思ったものは扱います(ここら辺の匙加減は気まぐれ、且つ恣意的です)。全て記事が 作成できた暁には、これらの名前も取り扱うかもしれませんが、現時点では優先度が低いです。ご了承ください。
1.3.銀河英雄伝説固有名詞語源辞典
田中芳樹著『銀河英雄伝説』登場の固有名詞の語源を扱います(現時点ではドイツ系の苗字のみ)。 収録人名は、以下の作品を原典とし、その姓の作品中の日本語表記に従って50音順に配列してあります。 又、OVAのオリジナルキャラに関しては、作品中にその名が出てこなくても、設定上名前が存在する場合も記載しました。 又、ブローネの様に家名としてのみ登場する姓も録しました。
小説 田中芳樹『銀河英雄伝説』 正伝(全10巻)、外伝(既刊4巻)、外伝『黄金の翼』、単行本未収録外伝短編4編
OVA 正伝、外伝の全て
漫画 道原かつみ『黄金の翼』、『銀河英雄伝説』
一つの日本語表記に複数の姓がある場合も多いです。例えばフェルナーはFellner、Ferner、Förnerの3姓が実在します。 このような場合は全てに語源説明を加えます。OVAのテロップで表示される人名の綴りは、ビデオテープ時代のものは 誤りが多いため、これには一切依拠しません(DVD版は管理人は未見の為、不明)。ライトスタッフ編著の『銀河 英雄伝説エンサイクロペディア』も同様です。詰まり、OVAとエンサイクロペディアの綴り表記は一度白紙に戻し、 ゼロから採用したものという事になります。
管理人が採用する綴りは物語の中で現れる日本語表記に忠実とします。例えば、バルトハウザーはOVA等ではWaldhauserの 綴りが採用されていますが、Baldhauserという綴りの方が日本語表記の音に忠実なので、Baldhauserの綴りの語源解釈をします (勿論、ドイツにBaldhauserという姓が実在するために、こちらを選択していることになります)。
また、ローエングラムやオフレッサー、スールズカリッター、ビュコック等の実在しない姓は無視します。また、ハーゼングレーバー、 マイフォーハーは実在しない姓ですが、それぞれ実在するハーゼンクレーヴァー、マイホーファー姓の誤りと思われます。 この場合は、発音が若干変わってしまいますが、実在する姓で説明します。又、ドレウェンツ、ナウガルトなどは地名であり、 姓としては近い綴りのドレヴァンツ、ノイガルトしか存在しません。こういった場合は、その旨記して、実在の姓の方で記載・説明 します(特に帝国系の人名は、地名からの転用がかなり多い)。
2.姓の見出し2.2.見出し
姓の日本語の音転写と綴りを併記。ロシア語やギリシア語の様にローマ字アルファベット以外の文字を使用する言語の姓は、 言語学上用いられているローマ字転写形を見出しとし、元の言語の綴りを()内に記載して併記します。英語式のローマ字 転写形が一般的に知られている場合は、その旨を示し、()内に記載。以下にフルシチョフの姓を例にあげます。
Chruščëv(露)((露)Хрущёв、(英式転写)Khrushchev) フルシチョフ

2.2.国籍表示
姓の見出しの右に、その姓の国籍を括弧に入れて表示してあります。但し、移民の姓で帰化先の言語に同化して綴りも変わって しまったもに関しては、その帰化先の国名を記入してあります。
2.3.特殊な人名
「ハリー・ポッター」と「銀河英雄伝説」の登場人物の姓に関しては、先述の通り実在しないものが含まれています。その場合は、 その旨を括弧で示します。以下に例です。
Lichtenrade リヒテンラーデ(地名) 地名のみ。姓として確認できれば、今後表示を変更する予定。
Dumbledore ダンブルドア(一般名詞) 一般名詞からの転用。フィクションで、姓としては確認できないもの。
*Falkenhorn ファルケンホルン(造語) フィクション中の人名で、造語と思われるもの。類似の姓が存在したり、構成要素が自明である若干の場合は、管理 人の判断により綴りを想定し記載、それが未確認である旨*印を付してあります。
Reuent(h)al ロイエンタール(特殊) その他の特殊な人名。

2.4.見出しの略記
見出しの姓の略記については以下の通り。
Reckendorf(f) ReckendorfとReckendorffの2綴りがあることを示す。
(v.)Stockhausen vonが付く姓も有れば、付かない姓も有る事を示す。
見出しではvonはv.と略しました。それ以外の前置詞、定冠詞は略さず記載しました。

2.2.廃用の姓
かつて存在したが、家系が断絶したなどの理由で現在は使用されなくなっている姓に関しては、見出しの先頭に †マークを付してあります。以下に例。
†Pisendel ピゼンデル(独)

2.6.その他の注意事項
vonが付くかどうかは、実際のドイツにおける用例又は苗字本に即して表示したもので、銀河英雄伝説内でvonが付くかどうかに 沿ったものではありません。

3.基本記述方針3.1.複数の発祥
一つの姓に複数のルーツがある場合は、①、②、③・・・と箇条式にそれぞれの語源を記載しました。

3.2.簡易説明と詳細説明
分かり易さ重視で説明をスリム化した簡易説明と、データーベースや資料目的で専門的記述を盛り込んだ詳細説明とに 記述を二分。但し、特に分ける必要が無い場合は、この体裁は取っていません。詳細説明に関しての凡例は4項を参照。

3.4.更なる語源遡及
◆のマーク以降には、その姓の語源となった語の更に遡った語源を記載。可能ならPIE語根までの遡及を記述。

3.5.脚注
記述項目末に脚注を記載。主に、出典を明示するのが目的です。

3.6.更新履歴
脚注の後に更新履歴を記載。初稿アップ時のデータ、記事内容の訂正・変更・追加の時期・内容を示します。

3.7.PIE語根
各姓を語源上の形態素(これ以上は分解出来ないという限界の単位)まで分解し、その各要素が印欧祖語の何という語根に遡るかを 表示します。
例えば、ディズニー(Disney)という姓はフランスの地名イズィニーに前置詞deが付いた名で、イズィニーの名自体も 人名Isinusに地名形成語尾-iacumが付いて生じた地名です。人名IsinusもIs-という根幹部分と-in-という接尾辞、-u-という 語幹形成母音、-sという屈折語尾に分けられます。地名形成語尾-iacumも-i-という接尾辞、-ac-という接尾辞、-u-という 語幹形成母音、-mという屈折語尾に分けられます。
今列挙した要素のうち、Disneyという現在用いられている姓の中に残っている 形態素でこの姓を分解して表示すると、D-is-n-eyとなります。これらの各要素に最初から番号を1, 2, 3...と振り (この場合、-is-の部分は2.、-eyの部分は4.となります)、各番号に印欧祖語の語根を列挙します。
中には語源説が幾つも提唱されているものがあります。その場合は、比較的信用に足るものをピックアップし、2~3個挙げる に留めました。また中には、疑わしい説やしっかりした確認が取れないものがあるので、その場合は(?)マークを付して注意を 喚起してあります。セム諸語やその他の語族の語根に遡る場合は、解るように表示します。 4.詳細説明4.1.姓の古形
姓の古い使用例は、語源を知る上で極めて重要です。綴りや添付されている前置詞や冠詞からどの様な系統の姓なのか解るから です。また、何かしらの説を提唱するにも、その説の補強材料や物的証拠として例示する事もできます。
以上の点から、以降の論展開の為にも姓の古い綴りを最初に列挙します。以下に表示内容の内訳を挙げます。
姓の古い綴りをファーストネーム込みでイタリック(斜体)で表示。
記録された年代を西暦で表示。
記録された場所を表示。但し、確認出来ない場合は記載せず。
その人物の職業を表示。但し、確認出来ない場合は記載せず。
4.2.記事内容のガイドライン
最初に姓の種類を挙げ、確認できていればその姓の多い地域、或いは発祥地域を記載後、その姓の語源を記載。

4.3.脚注
出典に関しては、マイナーな単語(古語、方言、古い個人名、再建形etc.)には逐一脚注で示す事を方針としています。バイエルン州の 地名語源辞典を著しているドイツの地名研究家ライツェンシュタイン(Armin von Reitzenstein)の記述方式に倣ったものです。 私個人としては、とても信用に足る書き方だと感じたので(自分は遠く及びませんが)。また、直接内容とは関係ない部分なども、 脚注に書く体裁をとりました。
該当語句、項目の右肩に小さくアラビア数字を振ってあります。ページ下段に脚注欄の各番号に対応しています。

4.4.地名姓
ドイツ系の地名姓で、由来元となった地名は、ドイツ製の地図帳(ISBN3.575.22832.9(12.):書名はカバーが取れて無くなってしまった為不明。 発行はReise- und Verkehrsverlag GmbH)で調べて詳しい所在地を記載。(33Ke24)などの括弧内の文字はその地図帳内での検索コードです。 元々管理人の覚書として書いたものですが、もしこの地図を持っている方がいて、検索したい場合の為に一応記載しておきました。
4.5.地名
地名姓の記述で、度々地名の古形を列挙しています。これも語源解明で最重要事項です(最初期の綴りから語源が容易に解明できる 事が多いですし、その後の綴りの変遷から地名の変化を理屈立てて説明することも可能だからです)。以下に表示内容の内訳を 挙げます。
古い綴りをボールド(太文字)で表示。
記録された年代を西暦で表示。
確認できれば、写本のコピー年代も表示。
尚、英国地名では『ドゥームズデイ・ブック』(1086年)が初出のものがかなりある為、当該文献の記録の場合、略号DBを記載しました 。
4.6.典拠
各姓の詳細説明末に、その姓の語源記述が記載されている文献、ホームページを括弧[]内に表示しました。また、取り扱った 姓が苗字本に記載されていなくても、同語源の姓が乗っている場合は、それを載せました。例えば、サントラム(Santrum)という イタリア姓を採録している苗字本は有りませんが、同じ語源のイタリア姓サントーロ(Santoro)は多くの文献で記述があります。 この場合は、サントーロ姓の典拠を示すという体裁を取っている訳です。
また、全く苗字本に語源的関係のある姓すら記載のない姓は、当項目は挙げておりません。 5.略号5.1.略号については以下のとおりです。
尚、出典の略記については、著者名(姓のみ)の後に出版年、ページを表記。
<に由来する に由来する >へ転じる
へ転じる *非文証形、再建形 ←?語源不明
語形、意味、語源的関連性に疑問あり cf.比較せよ、参照せよ cogn.同根語
sic語形に問題有り(一次史料中) ママ引用元の表記に誤り・問題がある場合 ONCOxford Names Companion
EPNSEnglish Place Names Society 廃用、死語 ~と方言の関係にある

        言語名
中高独中期高地ドイツ語 古高独古期高地ドイツ語 中低独中期低地ドイツ語
(古)英(古期)英語 (古)仏(古期)フランス語 イタリア語
西スペイン語 ポルトガル語 ロシア語
pol.ポーランド語 ラテン語 ギリシア語
PIE印欧祖語